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渡したお金にカギを掛ける方法

2015.07.10

平成27年1月1日に、20年に1度と言われる「相続税の大増税」がありました。
今まで相続税がかからなかった方がそうではなくなったり、以前からかかる方も税額が増えたりということで、当センターへの問い合わせも1月以降かなり増えている状況です。
その相続税の節税対策の代表例が、「贈与」などの「一族内での資産移転」です。

しかし、日本人は「若いうちから大きなお金を渡すと、無駄遣いする」「本来の仕事に身が入らなくなってほしくない」「親の遺産に頼らず、自力で人生を切り開いてほしい」などの気持ちが強い民族と言われています。教育的な考え方から、「贈与」などの資産移転が進まないこともよくあることです。

そこで 今日は、「贈与」などを安心して実行するための「渡したお金にカギをかけてしまう方法」についてご説明します。


生前に子や孫に資産を渡す方法

代表的な方法を3つ、ご紹介します。

①子や孫に、毎年コツコツ毎年贈与する(暦年贈与)
②法人設立→子や孫を役員とする→役員報酬を出す
③相続時精算課税制度を利用→アパートなどの建物のみを子や孫に移転→子や孫が家賃を受け取る


渡すけれども、使えなくする(カギをかける)方法

同じく、代表的な方法を3つ

A 生命保険(受贈者が贈与者に保険をかける)
B 小規模企業共済
C 投資信託や株(NISAを活用)


「渡す方法」と「カギをかける方法」を組み合わせる

もっとも典型的な方法は、渡す:「① 贈与」+カギ:「A 生命保険」でしょう。

「A 生命保険」よるカギは、万が一 贈与者が早くに亡くなってしまったときは大きな助けとなります。生命保険は、1回でも保険料を支払っていれば、万が一の場合に「約束された保険金が満額」支払われるからです。

「B 小規模企業共済」は、月7万円(年84万円)までしか掛けられませんが、全額が所得控除となるとても有利な商品です。(※ 加入条件あり)

「C 投資信託や株(NISAを利用)」は、所得税の軽減効果は大きくありませんが、長い目で見ればインフレ(物価上昇)対策となり、資産の価値を大きく増やせるかもしれません。

ただし、「A 生命保険」と異なり、「B 小規模企業共済」は単純な積立、「C 投資信託や株(NISAを利用)」は元本保証のない投資であり、「もし万が一のときに大きなお金がでる」という保険的な考え方はありません。

相続対策としては、「A 生命保険」をカギとして利用するのが、もっともわかりやすいのではないかと思います。ただし、生命保険は年齢を重ねるたびに保険料(掛け金)が高くなりますので、検討するならば早め(60代)のうちに考えておきましょう。


「② 法人なり」+「B 小規模企業共済」もおススメ

また、規模が大きい方向けの資産移転の方法として「法人なり」があります。

 「法人なり」については、お話しすると長くなりますので単純に申し上げますが、1人の方に所得が集中して税負担が重くなってしまった際に、自分で会社を設立して家族を役員とし、税負担を家族で分散し節税する手法です。

この方法で、子どもなどを自分で作った会社の「役員」にして、「役員報酬」という形で資産移転をすることができます。この「② 法人なり→役員報酬」という方法は、「① 贈与」とは様々な違いがあります。

たとえば、「① 贈与」は、1年間に110万円を超えると贈与税がかかります。
対して「② 役員報酬」は給与所得となり、所得税・住民税の対象となりますので、「給与所得控除」や「B 小規模企業共済」による84万円控除の利用などで、税負担を抑えて資産移転をすることが検討できます。

知らない方も多い「B 小規模企業共済」。紹介しない税理士さんも多いようですが、とても有利な商品ですので、ぜひ調べてみて下さい。


まずは「自己分析」から!!

今回のお話は、あくまで「手法論」となります。いわゆる「お薬」の話です。

私のセミナーでは、いつも申し上げることですが、「医者による診察」をしないと、有効な「お薬」は処方できません。

今日のお話を聞いて、「良いことを知った!」と思った方もおられるかもしれませんが、いきなり「お薬」を買い求めないでくださいね。

かならず、最初は「自己分析」から始めましょう。
自己分析のやり方がわからない・・・という方は、福岡相続サポートセンターは「相続専門の救急病院」です。いつでも弊社までお問い合わせください。

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筆者紹介

高橋 大貴
福岡相続サポートセンター
相続コーディネーター

世の中に生命保険を売る人はたくさんいますが、「相続や不動産にも生保にもくわしい人」は、じつはあまり多くありません。
相続のことが心配になったら、「相続に強い生保プロ」である私 高橋 大貴に、いつでもご相談下さい。
生命保険は相続対策の万能選手といわれています。しかし、大変に複雑でわかりにくいものです。また、年をとるごとに、年々加入が難しくなっていくものでもあります。
まずは「現在加入している保険の診断」から、お早めにご相談下さいませ。

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